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悲母観音様の三つの大願

一、観音霊場巡礼による善行

    (満願笈摺・御朱印帳の譲渡)

二、親子を別れの苦しみから救う

    命のリレー

    (亡き方の供養のための

      あかちゃんポストへの寄付)

三、病気の苦しみに手を差し伸べる

    (大病を患う方へ写経を

      薬師如来様の功力を届ける)

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悲母の三大願意

当院の御本尊様は悲母観世音菩薩様です。
この悲母観世音菩薩様の願いを三つの大願とし、私たちはそれを菩薩様に代わり実行して参ります。
その功徳がやがて私たちやその子孫に反省されることでしょう。

●第一の大願
第一の大願は、巡礼をしながら徳を積むこと、いわゆる善行を行うことです。
とは言え、一体何をしたらいいのでしょうか?
例えば、巡礼道中での清掃も善意の行いでありましょう。しかし西国巡礼が「究極の終活の旅」として日本遺産にまで認定された訳ですから、巡礼の際、自分や身内のためだけに朱印を集めるのではなく、全くの他者のために笈摺(おいずる)や朱印帳をもう一つ満願されてみてはいかがでしょうか?
その満願された笈摺や朱印帳を他者のために使っていただくこと。それが絶大な功徳積むことになるのは間違いありません。

当院では、皆様が満願された笈摺や朱印帳をお預かりし、予期せず突然の不幸によって亡くなられた方のためにお譲りしています。
突然の死(自殺や事故によって亡くなられた方)と向かい合うことになった御家族様は、どれほどの辛い人生を歩まなければならないのでしょうか?御朱印をお渡しすることで、ご家族様に仏様と向かい合う機会が与えられます。仏様と繋がることで、自殺や事故による苦しみを分かち合い、解決していくことができるのです。
また、亡くなられた方に対しても旅立ちの時、そっと笈摺を着せてあげることで、仏様がその方の苦しみに寄り添ってくださるのです。
そして、最愛の人を亡くされたご家族様が観音霊場を巡礼することによって、亡き人と共に歩んでいける機会を与えてあげていただきたいのです。
また、孤独死された方やご遺体の引き取り手の無い方のためにも、行政機関を通じて、その方の元に笈摺や御朱印帳をお渡しできるよう交渉も行っております。

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●第二の大願
第二の大願は、当院の御本尊、子供に対する深い憐れみと慈悲の気持ちを持っておられます悲母観世音菩薩様が最も悲しんでおられる「子供との別れに直面する親子の悲しみ」を癒すということです。
子供は親や環境を自らが選んで生まれてくるという人もいますが、しかしながら、生まれようとする命があるにも拘わらず我が親に間引かれてしまう命、いわゆる中絶によって消滅させられてしまう命があります。
また、不幸にも親と生き別れて暮らす子供の魂を思うと、少しのやるせなさを感じずにはおられません。どちらにしてもそこに発する親子のテーマは「別れ」なのです。
例え別れ離れになっていても、できることならば生きて欲しい、強く生きて欲しいというのが親の気持ち、観世音菩薩様の慈悲の気持ちではないでしょうか。

そんなことを考えているとき、熊本県にあるあかちゃんポスト「こうのとりのゆりかご」という施設のことを耳にしました。
※「赤ちゃんポスト」とは諸事情のために育てることができない新生児を親が匿名で預けることができる施設の日本における通称です。
この施設には、毎年大凡10人程の生まれたての赤ちゃんが預けられるそうです。
赤ちゃんを産んでも育てることのできない女性たちがひっそりと我が子を抱えてそのポストに入れて帰るのです。
そのポストには手紙が添えてあり、その手紙を受け取らなくてはポストが開かないようになっているそうです。そしてその手紙は持ち帰ることができ、児童相談所の連絡先や手放してしまったことを後悔した際に名乗り出ることができるよう、赤ちゃんポストの連絡先が記されているのだそうです。
この思いやりこそ観世音菩薩様の慈悲の心だと私は思います。そしてこの施設を運営されている慈恵病院に対して観世音菩薩様の心を感じずにはいられません。

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●第三の大願
第三の大願は病気で苦しんでいる人に手を差し伸べることです。
お釈迦様は人間の四大苦を生老病死と説かれました。これが仏教の基本だといっても過言ではありません。
生と老の苦しみは急速には進みません。ですから健康な私たちには、その先にある病の苦しみが分からないのです。大病になった瞬間から生や老の苦しみなど一瞬にして消えてしまうのです。
大病になれば、健康で生きている家族との間にさえ何かしらの壁ができてしまうことに気付きます。そしてその大病の先には死(諸行無常)という言葉が待ち受けているのです。
仏様はこの大病(死)の苦しみからも衆生を救うと誓願されているのです。
当主は観音霊場を巡礼する渦中で薬師霊場巡礼の功徳のすばらしさに出会いました。
どうか皆様、十句観音経、または般若心経の写経をしてください。その最後に「南無観世音菩薩」と「南無薬王菩薩」お書きになり当院に提出してください。自分の名前や願意は一切書きません。皆様からいただいた写経に病気の方の名前を書き入れ、薬師霊場巡礼に持参します。各寺院にて名前を書いた方々の病気平癒を祈願し、最後に観音霊場にてその写経を収め、皆様に代わって薬師如来様と観音様の功力をいただいてまいります。

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